メール処理を自動化。AI x RPA の問い合わせ管理システム

この2年間、世界経済を襲った新型コロナウイルスの猛威は、多くの企業にとって大きな痛手となり、風前の灯火となってしまった企業も少なくありません。

そんな中、どの企業も「支出を減らし、利益を保ちつつ増やさなければいけない」とのプレッシャーにさらされています。お客様に良いサービスを提供し、お客様の問題を素早く解決することは、勿論ビジネス上必要不可欠ですが、そのプロセスは決して楽なものではありませんし、安価なものでもありません。

その上、ポストパンデミック経済では、顧客が2020年以前の購買状況へ完全に戻ることは期待できないでしょう。むしろ、私たち企業は数歩前進して、お客様を企業ポリシーと意思決定の中心に据える必要があると言えます。

今と今後を取り巻く難しい状況の中、「顧客体験を向上させながらコスト削減する」ことは、どの企業にとっても生き残りをかけた命題となっています。そうはいっても、実際問題そのようなことが可能なのでしょうか?

カスタマーサービスは、世界中のほとんどの企業にとって「生命線」となっています。また、顧客を惹きつけ、それを維持する上でも重要な役割を担っています。だからこそ、コンタクトセンターは非常に重要なポジションであり、そのコンタクトセンターが顧客の要望に十分に応えられない…となった時点で、多くのお客様はその企業から離れていきます。文字通り「生命線」なのです。

そのようなコンタクトセンターにおいて、カスタマーエクスペリエンス(CX)を優先することは、企業の大幅なコスト削減につながり、企業そのものの成長・拡大にも繋がっていきます。そうだとすれば、しっかりとした計画を立て、コンタクトセンターのパフォーマンスを定期的に見直すことは非常に効果的だと思われないでしょうか。

例えば何を見直せますか。

  • 顧客は何を達成しようとしているのか?顧客は何を求めているのか、期待通りの結果を提供できているか?
  • 目標や成果を分析する。
  • 全体的な成果に満足出来ているか?顧客が企業へ抱く期待と現実とのギャップを埋められているか

上記の質問を考えることで、コンタクトセンターのビジネスプロセスを、設定した目標にマッチさせられます。これは決して目新しい情報ではなく、どの企業も定期的に行っていることかもしれません。とはいえ、改めて時間をかけてこれに取り組むと、本当に些細な変化だとしても企業にプラスの影響を与え、最終的には運用経費の削減につながります。

コールセンターの運用コスト削減と顧客サービスの向上、これは二者択一なのでしょうか。

いいえ、誰でもそれを同時に実現することができます。
今回の記事では、その方法を具体的に扱っていきますので、是非最後までご覧ください。

まず、1コールあたりのコスト、オフィススペースのコスト、従業員の給料、電気代、購入品、システムのメンテナンス、トレーニングセッションの開催など、コストのかかる様々な要素を特定します。

これらの費用を従業員数や1日の総コール数と比較すると、コンタクトセンターで行われた/受けたコールの平均コストがいくらになるかが分かります。もちろん、この数字は絶対的なものではなく、結果は企業や状況によって異なります。しかし、この作業に着手することで、現状かかっているすべてのコストをリストアップでき、それに基づいて削減できそうな支出を特定することが出来ます。

この時に留意するべき点は、次の3つです。

(1) 平均処理時間(AHT)

AHTを計算することで、オペレーターが通話に費やした平均時間がわかり、通話後の書類作成のスピードがわかります。

(2) 応答した電話数に対するキューの数

サービスキューで待機しているコール数と、オペレーターが対応したコール数を比較することで、お客様がオペレーターとの会話を待つ時間を知ることができます。待ち時間が長ければ長いほど、お客様が困ったり不満を抱いたりすることになります。

(3) 顧客満足度

顧客からの評価やフィードバックを通じて、コンタクトセンターのパフォーマンスを測定することは、必要不可欠な評価です。顧客満足度は、コンタクトセンターのパフォーマンスやブランドに対する顧客心理を如実に表します。

慎重なコスト計算

コンタクトセンターを改良しようと決定する際、経済的な効率性を追求するあまりに、オペレーターの満足度を犠牲にしないようにしましょう。現場の不満が高まると、「オペレーター大量退職」とも呼ばれる現象が起きます。結果、現場は疲弊します。

コールセンターから優秀な人材が大量に流出→残った社員の士気が低下→仕事量や内容の見直しが頻繁に必要になる→それに伴い時間や知識のロスが生じる→顧客へのサービスの質が低下する…という負のスパイラルにはまることになるからです。

これらの問題が一段落する頃には、企業としての健康状態に金銭的な悪影響を及ぼしていることでしょう。しかも、この段階での資金不足は、カスタマーサービス部門の刷新(優秀なスタッフの新規雇用、インフラのアップグレード)をさらに制限し、結果として顧客の不満とビジネスの大損失を招くことになります。まさに負のスパイラルです。従業員になるべく不満を持たせず、人材流出の事前対策が非常に大切であることは明白です。

レガシーテクノロジー、プロセスマネジメント、顧客満足度などの問題から、コンタクトセンターは資産よりも負担の方が大きいのでは…という感覚に陥ることもあるでしょう。とはいえ、問題を発見・解決しないことには、カスタマーケアビジネスの効率化を図ることは難しいでしょう。

続いて、カスタマーサービスを損なうことなく、コンタクトセンターを経済的に効率化する方法を8つのポイントから説明します。

なるべくコストをかけずにコンタクトセンターを効率化する8つのヒント

  1. 従業員教育に投資し、適切なツールで従業員を強化する
  2. 顧客とコミュニケーションをとるためのマルチチャネル対応?ソーシャルメディアに対する戦略を持つ
  3. 会話ボットを活用し、24時間365日ビジネスを継続する
  4. 業務の自動化
  5. スマートレスポンスによる顧客とのコミュニケーション
  6. テンプレートによるメッセージの迅速化
  7. AIを活用して作業負荷を軽減し、効率をアップさせる
  8. セルフサービス・サポートの提供

一つずつ詳しく見ていきましょう。

1. 従業員教育に投資する/適切なツールで従業員を強化する

言うまでなく、従業員は企業にとって最も重要な資産であり、顧客からのサービスリクエストに対応し始める前に、まず従業員について考える必要があります。

適切なツールを活用した実践的な教育に加え、ビジネスやプロセスに関する知識を身につけることで、サービスデリバリーチームがあらゆる顧客からの要求に対応できるよう準備できます。チケットの急激な増加に対応し、個人および集団のチケット管理について、全員が同じ認識を持つようにしましょう。

情報共有が透明であれば、当然健全な労働環境が促進されます。また、スタッフ不足によるボトルネックに直面することなく、チケットを確実に解決できます。

また、コール統計をモニターし、顧客が最も多く問い合わせをする時間帯を特定することも忘れないでください。ピーク時に備えてオペレーターを待機させておけば、“長い待ち時間”に代表される顧客満足度を下げる要因を減らせます。

また、オペレーターのコミュニケーションと解決案の質を評価することにも役立ちます。効率的で顧客からの満足度が高いオペレーターは、優れた顧客サービスを安定的に提供し、それが企業としての収益増加にもつながります。

2. マルチチャネル・サポートーシャルメディアに対する戦略をもつ

顧客は進化していくものですから、当然私たちも進化しなければなりません。ここでいう「進化」とは、顧客とのコミュニケーションとエンゲージメントのためのシステムを改善することです。レガシーソフトウェアは、確かにこれまでのブランドをしっかりと支えてきたかもしれません。

しかし、もしあなたが最新のAI搭載のヘルプデスクソフトウェアを今活用していないのであれば…残念ながら貴重なものを見逃してしまっていることになります。

あなたの顧客は、カスタマージャーニーのなかで、シームレスで摩擦のないデジタル体験を望んでいます。顧客のお気に入りのコミュニケーションチャネルに対応しているということは、電話、電子メール、ソーシャルメディア、ライブチャット、Web、およびWhatsAppのようなメッセージングプラットフォームが利用可能であることを意味します。

そして、オムニチャネルサポートシステムは、この条件を満たすのに役立ちます。顧客は、1クリックであなたがその場にいてくれることを知って信頼してくれます。

3. 会話ボットの活用で、24時間365日ビジネスを継続する

顧客が企業と接続するということは、会話をするということです。では、コンタクトセンターにかかってくるすべての電話に対応し続け、オペレーターが疲労困憊してしまうということでしょうか。そうではありません。ボットにはさまざまな形態がありますが、目的はどれも変わりません。

ボットは、バーチャルアシスタント、AI搭載のチャットボット、メッセンジャープラットフォームでのテキストによるライブエージェントサポートなど、顧客との最初の接点となることが多く、顧客と顧客が抱えている問題を中心に会話をするという面において大変役立ちます。

これは、不必要な人的資源を削減するための効果的な方法であり、最近の顧客に見られる「今すぐ欲しい」に対応するための良いツールです。さらに、会話ボットは、企業の「デジタルおよびモバイルファースト戦略」(ポスト・パンデミック社会で生き残るための必須条件)を促進します。

4. 業務の自動化

業務の自動化は、オペレーターの作業負担を軽減し、同時にビジネス目標を達成させることに大いに貢献します。自動化することで、日常的であり反復的なプロセスへの人的コストを減らし、その分オペレーターは、より重要で機密性の高いチケットに対応することができます。

つまり、コンタクトセンターで自動化を採用すると、ビジネスプロセスがよりシンプルなものになり、ワークフロー管理も効率的でスピーディーなものへ改善され、人的労力の削減、経済的な効率化を実現させられるのです。

5. スマートレスポンスで顧客にアプローチする

毎日、何百人もの顧客からの問い合わせに、繰り返し対応することを想像してみてください。このプロセスは単調でありながらフラストレーションが溜まりやすく、人的ミスが発生しやすくなるリスクも否定できません。

それ故に、時にはオペレーターが小さなミスをすることがあるかもしれません。ミスに顧客が好意的でないケースでは、企業は代償を支払わなければならなくなるでしょう。しかし、スマートレスポンスよって、こうしたリスクを事前に回避し、顧客との円滑なコミュニケーションをより強化できます。

また、製品情報や更新情報など、顧客ごとにパーソナライズされたコミュニケーションを、ジャンル分けしながら送る手間も省けます。スマートレスポンスで時間を節約し、ヘルプデスクの効率をアップさせられるなら、企業にとっては理想的ではないでしょうか。

6. テンプレートによるメッセージの迅速化

ご存じの通り、コンタクトセンターでは、毎日何百通ものメッセージを送受信しています。その状況において、一般的なサポートリクエストや類似した顧客への対応時間を短縮することができるとすれば、企業にとって大きなメリットとなります。コンテンツテンプレートを利用すると、サービス関連のメール作成時間を確実に短縮できます。

それに伴って、メッセージングプロセスがスピードアップすることは勿論のこと、コミュニケーションスタイルも統一され、ブランドイメージやターゲット層を一致させることも思いのままです。

担当者が、コンテンツのスタイルや文法に悩まされることはありません。その代わり、チケットの解決に集中し、問題の本質をシンプルに伝えられます。ヘルプデスクソフトウェアが、受信者の名前やメールの件名など、さまざまなフィールドをあらかじめ設定されたもので埋めてくれるなら…最高ですね。

ターゲットを絞り、正確かつ合理的なコミュニケーションをとるなら、言うまでもなく、それはあなたのビジネスに大きな効果をもたらします。前提として、顧客はビジネス中心の企業よりも、顧客中心の企業の方を選ぶものです。概して、企業に魅力を感じてくれている顧客は、利益率が高いということなのです。

7. AIを利用して作業負荷を軽減し、効率を向上させる

カスタマーサービスにおける人工知能(AI)の活用は、主要な業務指標に大きな改善をもたらします。そして、コンタクトセンターでAIを使用すると、顧客の全体的なエクスペリエンスを高めることができます。ここで、カスタマーサービスにおける最も一般的なAIの使用例を見てみましょう。

【カスタマーサービスにおけるAIの主な使用例】
1)コンタクトセンターの自動化
2)サービスオペレーションの最適化
3)顧客セグメンテーション
4)予測インサイトと顧客サービスの分析
5)製品機能の最適化
6)AIベースの新しいツールの作成

これは、あくまでもAIの多様な性質と有用性を示すものであり、すべてを網羅しているものではありません。

コンタクトセンターの目的は、人間味のある優れたカスタマーサービス(CS)を提供することでしょう。コンタクトセンターは、顧客からの問い合わせや苦情を解決・処理し、それをルーティングするためにAIを使用しています。

もしAIがなければ、膨大な数の案件を管理することは、オペレーターを疲弊させ、フラストレーションをため続けることになりかねません。大量のコールフローが発生するコンタクトセンターでは、AIが案件処理に関するほとんどの負担を肩代わりしてくれ、最大限の機能でタスクを完了させます。

案件処理において、オペレーターへ最適案を出せる、いわば「コンタクトセンターの管理者」であるAIへの投資は、企業に最大のリターンをもたらすことになります。ヘルプデスクAIに既存の案件やデータセットを学習させることで、苦情解決プロセス全体において有意義なソリューションを提供することが可能になるからです。

8. セルフサービス・サポートの提供

コンタクトセンターのような要求の厳しい環境では、複数の様々なチャネルでカスタマーサポートを提供することは、大変困難な作業に思えるかもしれません。加えて、実際のところコンタクトセンターに接触してくる顧客の全員が、オペレーターからのサポートを必要としているわけではありません。

マイクロソフトの調査によると、約90%の顧客がオペレーターを待つことを好んでいるわけでなく、むしろ自分で問題解決することを望んでいるようです。このような顧客は、コンタクトセンターにとっては好都合です。オペレーターの貴重な時間とエネルギーを節約するだけでなく、運用コストを下げられるからです。

実際に、オペレーターとのライブコールはUS$5からUS$15のコストがかかりますが、顧客向けのセルフサービス・オプションはほとんどコストがかかりません。とはいえ、これは妥協無しで質の高いサービスを提供するために、試行錯誤された方法です。

ヘルプデスク・ソフトウェアに統合されたナレッジハブを顧客に提供することで、オペレーターの平均通話処理時間を短縮し、チームの効率を高められます。また、軽微な問い合わせをセルフヘルプ・チャネルに振り向けることで、デリバリー・チームの負担を軽減することも可能です。

良質なナレッジベースとセルフヘルプオプションがあれば、顧客が抱える問題を最短時間で解決へ導けます。さらに、コールセンターのサービス品質に影響を与えることなく、初回コール解決率(FCR)を向上させ、更に効率的にすることができるのです。

最後に

少し長くなりましたが、ここまでで、なるべくお金をかけずにコンタクトセンターを効率化する8つのポイントについて扱ってきました。

1.従業員教育に投資し、適切なツールで従業員を強化する
2.顧客とコミュニケーションをとるためのマルチチャネル対応?ソーシャルメディアに対する戦略を持つ
3.会話ボットを活用し、24時間365日ビジネスを継続する
4.業務の自動化
5.スマートレスポンスによる顧客とのコミュニケーション
6.テンプレートによるメッセージの迅速化
7.AIを活用して作業負荷を軽減し、効率をアップさせる
8.セルフサービス・サポートの提供

ここまで読んでくださった方は、この8つをバランス良く網羅できるツールはないものか…とも思われるのではないでしょうか?

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