どのような職業・作業でも、ゴールへのプロセスが「見える」のは非常に大切です。学校の算数の授業で、「どんなに簡単でも、途中で使う式は全て書きなさい」と言われたことを思い出します。今思えば、自分の思考を「見える化」していたのですね…。
デキる人やデキる会社が取り入れている「業務の見える化」。様々なツール・方法がありますが、国際標準で「見える」を実現する方法があります。今回は、「見える化」をグローバルに行う手段である「BPMN」について紹介します。
目次
BPMNとは?
BPMN(Business Process Model and Notation)をご存じでしょうか。BPMNとは、ある業務のスタートからゴールまでのステップと手順を、フローチャートで図式化する方法のことです。日本語では、「業務プロセスモデリング表記」と訳されます。
BPMNでは、業務フロー図を書くルールが、国際標準として明確化されています。誰が作成しても、全員が同じルールのもとにプロセスを理解できるのです。BPMNはフレキシブルに表現できるので、日常業務から複雑な業務まで使用できます。一連の業務を可視化できるので、ビジネスプロセス管理のカギを握ります。
BPMNとワークフローの違いって何?
BPMNと混同しがちなのが、ワークフローです。しかし、BPMNとワークフローの2つは似て非なるものです。(日本での)ワークフローは、申請・承認・決済を、漏れなくスピーディー行うことで、効率化を図るものです。
対してBPMNは、申請・承認の業務に限定せず、あらゆる業務のプロセスを組み替えて効率化を図ります。製造や販売のプロセス管理にも適しています。BPMNとワークフローでは目的が異なるため、自社のニーズに適している方を選択しましょう。
BPMNのメリット
BPMNは国際標準規格のため、社内外、国内外を問わずに活用できます。「国際標準」と言われると、複雑で難しいものをイメージされるかもしれません。安心してください。実際は、使用される記号や考え方も非常にシンプルなため、導入までの準備学習や、導入後の周知徹底も容易です。
導入の前後がシンプルだからこそ、全ての人が(プロセスの参加者、管理職や技術者、外部の会社・チームやコンサルタント)視覚情報によって業務全体のプロセスを一目で把握することが可能となります。BPMNでプロセスを「見える化」するなら、ボーダーレスにプロセスを共有でき、一種の共通言語としての役割を果たせます。まさに「百聞は一見にしかず」。
プロセスが複雑であったり、プロセス参加者が大人数または多様であったりすればするほど、文章よりも図が有効です。参加者間でのプロセス誤認やギャップを予防でき、現状を正確に把握することも容易になります。いわば、社内での業務潤滑剤の役割を期待できるのです。
「自分の関わるプロセスのことしか知らない…」という状況を打破できれば、会社内の業務円滑化はもちろんのこと、顧客満足度の向上にも影響します。業務全体の流れを「見える化」することで、誰が、いつ、どこで、どんな対応を求められるとしても、疑問/問題がどのプロセスで生じているのかイメージすることができます。会社としての対応力を上げ、属人化を避けることが可能です。
「流れ」をBPMNで可視化することで、プロセス間での無駄を発見できます。無駄を省くことができれば、ゴールまでを時短したり、逆に新たなプロセスを入れたりすることも可能です。製造や販売業であれば、新たな製品や製造ラインを導入することもできます。総じて、会社全体での更なるレベルアップが見込めるのです。
ThinkOwlならBPMNを簡単に作成できる!
「BPMNは便利です!」「BPMNを導入しましょう!」といっても、BPMNツールは沢山あります。BPMNを導入しようと思っても、何を使ったら良いのやら…となりませんか?そこで、今回は弊社で取り扱っているThinkOwlをご紹介いたします。
ThinkOwlは、「問い合わせ管理システム」としてご紹介することが多いのですが、「BPMNツール」としても十分に活用できるのです。もちろん、難しいプログラミング作業は一切ありません。タスクとルールを定義するだけです。
ディスパッチャのルールを定義する
サービスプロセスをディスパッチし、自動でアクションを実行する条件を定義します。
イベントトリガーの作成
自動でアクションを実行するために、イベントトリガーを定義します。
ビジネスプロセスモデリング
サービスとバックオフィスのビジネスプロセスを、スタートからゴールまで、ボーダーレスに計画・管理します。
シナリオの実行
イベントトリガーと条件の組み合わせにより、シナリオを設計することも可能です。
ThinkOwlをBPMNツールとして活用すると、いわゆるルーチンワークを自動化し、基準を設定することができます。そして、プロセス実行のためのルールを定義することで、ミスを削減することも可能となります。自動管理により、従業員の作業手順をガイドすることができるため、従業員のトレーニングコストの削減にも繋がります。
ThinkOwlの詳細に関しては、是非お気軽に弊社へお尋ねください。
最後に
近年、あらゆるプロセスでの自動化が盛んです。しかし、自動化の前提となるプロセスが安定していなければ、かえって自動化が非効率的になる恐れもあります。自動化が全てではありません。
しかし、自動化によって会社が享受できる恩恵も少なからず存在することは、認めなければなりません。何を自動化・簡略化できるのかを見極めるために、現在の業務プロセスを「見える化」し、更なるブラッシュアップを図ることは必要不可欠です。
何かののプロセスを長年続けてきたなら、ブラッシュアップのための「見える化」を。何かのプロセスを新しくするなら、ミスがないように「見える化」を。どんな分野でも、百聞は一見にしかずですね。