ヘルプデスクに押し寄せる大量の社内外の問い合わせ。「問い合わせ管理がうまくいかない」「いまのヘルプデスクツールの使い勝手が悪い」と感じることがあるかもしれません。
今回は、多機能ヘルプデスクツールとして有名なZendeskを含め、市場で評価されている7つの製品を比較します。各製品がおすすめの企業も解説するのでご覧ください。
ヘルプデスクツールとは、顧客と社内の問い合わせに効率的に対応するために用意されたツールです。
多機能ヘルプデスクツールは単に早い対応を実現するだけでなく、顧客と社員のためにナレッジを記憶し、AIが最適なタイミングでナレッジを提供してくれます。
ヘルプデスクツールを導入するタイミング
「有料のヘルプデスクツールは必要ない」「エクセルを使えば対応できる」という意見を聞くことがあります。たしかに以下の条件を満たすなら、業務を人手で行っていけます。
- 1日の問い合わせ件数が20件以下
- 問い合わせ対応をするスタッフが2名以下
しかし、1日の問い合わせ件数が20件以上、対応スタッフが3名以上になってくると人手による管理は難しくなってきます。リアルタイムに情報が共有できなくなり、業務効率が低下していきます。
そこで、以下の条件を満たしたときには、ヘルプデスクツールの導入を検討してください。
- 1日の問い合わせ件数が20件以上
- 問い合わせ対応をするスタッフが3名以上
さらにヘルプデスク以外にも、営業や販売店と問い合わせ内容を共有したいときもヘルプデスクツールを導入するタイミングです。他部署や提携他社と連携して業務をするときには、ヘルプデスクツールがあると効率的な問い合わせ管理をしていけます。
ヘルプデスクツールを入れ替えるタイミング
すでにヘルプデスクツールを導入しているときには、どのタイミングでツールの入れ替えを検討すべきでしょうか。きっかけとなるタイミングは以下のとおりです。
- 現行ヘルプデスクツールへの不満が増えている
- 独自のツールを使っており、担当者が退職するのでツールの管理者がいなくなる
- ツールを独自のサーバーで管理しており、管理コスト削減を経営層から指示されている
- サーバーの保守期限が近い
「現行ヘルプデスクツールへの不満が増えている」というのは、一般的なツールの切り替え理由です。使用しているヘルプデスク担当者に不満が溜まれば、業務の効率が落ちたりミスが頻発したりします。結果的に顧客からのクレームが増加し、売上に悪影響を与えるので気をつけましょう。
たとえば、どのような不満が出るでしょうか。弊社の営業担当がよく耳にするヘルプデスク担当者の不満8つをまとめてみました。
- レポート機能のカスタマイズ性が低い
- レポート機能がリアルタイムなら良いのに
- ベンダーのサポートが弱い
- UIが見づらい
- ナレッジ機能がシンプルすぎる
- GDRPを遵守している他のツールも試してみたい
- 外部メールとの連携をさせたい
- 今のツールだと、顧客への返信と社内メモの送信ミスが頻発する
もし上記のような不満があるなら、最新のヘルプデスクツールへ入れ替えるタイミングかもしれません。最新ヘルプデスクツールは、上記のよくある不満を解消できる機能を搭載しているからです。
最新ヘルプデスクツールを導入するメリット
最新のヘルプデスクツールを導入するメリットは5つあります。
- サーバーの準備が不要
- 部署・企業間で情報共有が可能に
- 自動で最新バージョンへ更新
- 問い合わせ業務のスピードアップ
- データ分析で運用のムダを発見
各メリットについて見ていきましょう。
サーバーの準備が不要
最新ヘルプデスクツールはクラウド上にあるツールのため、サーバーを用意する必要がありません。サーバーの導入・運用コストを減らせます。
部署・企業間で情報共有が可能に
クラウド上で運用されるため、各部署、関連企業との情報共有が簡単です。ツールに集約される問い合わせ内容や対応状況は、一元管理されます。開発部門や営業部門など、他部署へ毎回の対応状況をフィードバックをしなくても自動で情報共有してくれるので便利です。
自動で最新バージョンへ更新
多機能ヘルプデスクツールは、アップデート作業をする必要がありません。自動で最新バージョンへアップデートされます。運用の手間を減らせるのは大きなメリットです。
問い合わせ業務のスピードアップ
最新ツールを導入すると、作業を自動化できます。たとえば、サービス名ごとに最適な担当者へルーティングする作業を自動化できます。告知メールの自動送信や、返信の自動化も行えます。ヘルプデスク担当者を単純なルーティーン作業から開放します。
データ分析で運用のムダを発見
ヘルプデスクツールでは、問い合わせ対応の「時間」や各担当者の「対応数」を分析できます。結果として、ワークフローや人材配置の最適化が可能です。推測ではなく、数値に基づいた改善をしていけます。
失敗しない最新ヘルプデスクツールの選び方
最新ヘルプデスクツールを選ぶときには、「初めてヘルプデスクツールを導入するので失敗したくない」「いまのツールに満足できないから、今度こそはベストな製品を選びたい」と思うものです。
ヘルプデスクツール選びで成功するため、次の5つのポイントを覚えておいてください。
- 他システムとの連携
- 必要な機能の選定
- 機能の拡張性
- 予算
- 無料お試し期間
それぞれのポイントを説明します。
他システムとの連携
他システムとの連携が可能なツールを選んでください。既存システムとの連携だけでなく、将来の運用も見据えて、拡張性が高いツールを選ぶようにしましょう。
CTIと連携させて電話対応、CRMと連携させて顧客情報を表示、ERPと連携させて企業内の基幹情報を取得できるようなツールが使い勝手が良いです。
必要な機能の選定
最新ヘルプデスクツールは多機能です。使用できる機能の数ごとに毎月の利用料が変わります。そのため自社が必要な機能を絞り込み、優先順位を決めておきましょう。必要な機能を選定しておけば、使いこなせないほどの機能がある製品やプランを選んだりしないですみます。
機能の拡張性
ヘルプデスクツールの導入当初は、必要十分な機能があったものの、ビジネス環境が変化することで、さらに必要な機能が増えることがあります。とくにノンボイスチャネルや、チャットコマースはこれから導入が各社で進む分野です。
有人チャットやチャットボットなどのチャット機能や、ビデオ通話や画面共有機能に対応しているツールは拡張性が高いのでおすすめです。
予算
多機能ヘルプデスクツールは基本有料です。月額料金が安い製品がありますが、価格の安さだけで選ばないようにしましょう。初期費用・オプション費用なども含めてコストを計算してください。利用プランごとに使用できる機能も比較しましょう。
無料お試し期間
最新ヘルプデスクツールは高機能なので、製品の機能をよく知るために無料お試し期間を有効活用してください。「自社に必要な機能はどれか」「操作性は優れているか」「カスタマイズはしやすいか」などをチェックしましょう。十分なチェックをするために、無料お試し期間は最低30日は必要です。
Zendeskだけじゃない!?多機能ヘルプデスクツール7選を徹底比較
ここからは国内外で評価されている多機能ヘルプデスクツール7つを比較していきます。
各製品が向いている企業はどのようなタイプか、製品の特徴は何か、実際に使用した企業の口コミはどのようなものか、徹底比較していくので製品選定の参考にしてください。
ツール名 | おためし期間 | 1ユーザーあたりの最低価格 | おすすめ企業 |
ThinkOwl(シンクオウル) | 30日間 | 0円から(5ユーザーまで無料) | ▶カスタマイズが簡単なヘルプデスクツールを使いたい企業 |
Zendesk | 非公表 | 49ドルから(スタートアップ企業は6ヶ月間無料) | ▶Shopifyと連携させたい小売業 |
Freshdesk | 21日間 | 0円から | ▶扱うチャネルの種類が多いヘルプデスク ▶コミュニティフォーラムを運営したい企業 ▶ワークフローの自動化が必要な部署 |
Re:lation | 20日間 | 0円から | ▶LINE対応に力を入れたい企業 ▶Yahooショッピングなど、ECサイトの対応を改善したい小売業 ▶使いやすいUIのツールを導入したいヘルプデスク |
メールディーラー | 非公表 | 1ユーザーあたりは非公表(基本プラン35,000円から) | ▶問い合わせチャネルはメールが大部分というヘルプデスク ▶導入/運用をずっと無料でサポートしてほしい企業 ▶ログインの手間やパスワード忘れのリスクを減らせるシングルサインオンが必要な企業 |
メールワイズ | 30日間 | 500円から | ▶低予算でツールを導入したい企業 ▶メールに特化したツールだけが必要な企業 ▶kintoneを利用している企業 |
yaritori | 7日間 | 980円から | ▶シンプルなメール管理機能だけで十分なヘルプデスク ▶slack連携が必要な部署 ▶直感的に操作できるツールを使いたい |
ThinkOwl(シンクオウル)
ThinkOwl(シンクオウル)は、使いやすい自動化(RPA)とAI機能がついているヘルプデスクツールです。
■こんな企業におすすめ
- カスタマイズがしやすいヘルプデスクツールを使いたい企業
- 今使っているヘルプデスクツールに不満を持っている総務・経理
- 親身にサポートしてくれる製品を選びたいヘルプデスク
- 社内、社外から大量の問い合わせが来るエンタープライズ
■特徴
- さまざまなコンタクトチャネル(電話、メール、チャット、カスタマーポータル、アプリ)からの問い合わせを一元管理
- AIが担当者に問い合わせの優先度、参照資料を教えてくれる
- 世界の大手企業に鍛えられた国際基準に通用する高いセキュリティ
- GDPR対応ツール
■機能
- リアルタイムでカスタマイズ性が高いレポート機能
- 担当者のスキル不足をAIが補い、回答レベルのムラや返信の遅れを解決
- 階層で管理できるナレッジベース
■導入事例
米国物流大手オデッセイ社、北米物流大手XPO Logistics社などへの採用実績
▶参考情報:https://to.cba-japan.com/
■導入した企業のコメント・評価
😀「データ分析機能がすばらしい」「自動化のワークフローが簡単につくれる」「UIが分かりやすい」
😢「最初のセットアップに時間が必要」「モバイルでも使えるようになって欲しい」
▶もっとコメントを読む:
https://www.g2.com/products/thinkowl/reviews#survey-response-5043099
■製品サイト
■製品の動画
Zendesk
Zendeskは世界10万社以上が活用するヘルプデスクツールです。
■こんな企業におすすめ
- Shopifyと連携させたい小売業
- 海外の企業&顧客と取引があるグローバル企業
- スマートフォンやタブレットを使ったサポート業務を実現したいヘルプデスク
■特徴
- メールや電話などの問い合わせを1つの画面で管理できる
- 自動優先順位付けや自動返答など、自動化機能が充実
- Shopifyとの連携可能
■機能
- テンプレート・管理画面・アプリの簡単カスタマイズ
- 社内連携を強化するメモ・ナレッジ機能
- モバイルを使ったサポート対応
■導入事例
東京電力エナジーパートナー株式会社、神戸市などへの採用実績
▶参考情報:https://www.zendesk.co.jp/why-zendesk/customers/
■導入した企業のコメント・評価
😀「FAQコンテンツが作りやすい」「マルチチャネルに対応しており、すべての問い合わせを一元管理できる」「過去の質問履歴が検索しやすい」
😢「サポートが弱い」「レポート機能がもっと充実してほしい」「ナレッジ機能がシンプルすぎる」
▶もっとコメントを読む:https://www.itreview.jp/products/zendesk/profile#review-119106
■製品サイト
https://www.zendesk.co.jp/help-desk-software/
■製品の動画
Freshdesk
Freshdeskは受注後の顧客とやり取りする際に使い勝手の良いヘルプデスクツールです。
■こんな企業におすすめ
- 扱うチャネルの種類が多いヘルプデスク
- コミュニティフォーラムを運営したい企業
- ワークフローの自動化が必要な部署
■特徴
- 顧客の自己解決を促す機能が充実
- 反復作業を自動化できる
- AI搭載のチャットボットで顧客をサポート
■機能
- メール、チャット、通話による問い合わせをチケット管理
- チケットごとに優先順位、対応状況をステータス表示
- FAQサイト、コミュニティフォーラムを作成できる
■導入事例
オンライン旅行業者TravixやIT企業Riverbed Technologyなど50,000社以上への採用実績
▶参考情報:https://freshdesk.com/customers/
■導入した企業のコメント・評価
😀「ダッシュボード機能が使いやすく、管理工数の分析が簡単」「人員リソースの把握がしやすい」「直感的に利用できるUIが秀逸」
😢「細かな部分の日本語対応をもっと進めてほしい」「サポート対応が遅い時がある」「使いこなせない機能が多い」
▶もっとコメントを読む:https://www.capterra.jp/software/124981/freshdesk
■製品サイト
■製品の動画
Re:lation
Re:lationは「あのメール返信した?」を無くしてくれる問い合わせ一元管理ツールです。
■こんな企業におすすめ
- LINE対応に力を入れたい企業
- Yahooショッピングなど、ECサイトの問い合わせ対応を改善したい小売業
- 使いやすいUIのヘルプデスクツールを導入したいヘルプデスク
■特徴
- メール・LINE・電話などの10チャネルを一元管理
- 「未対応」「対応中」「対応完了」がひと目で分かる
- 業務改善に役立つ対応時間や担当者の案件数が見える化される
■機能
- AIがテンプレートを教えてくれる
- キャリアメールで返信可能
- Twitter連携・ソーシャルリスニング機能
■導入事例
株式会社ハーバーハウス、チャットプラス株式会社など3500社以上の採用実績
▶参考情報:https://ingage.jp/relation/result
■導入した企業のコメント・評価
😀「直感で操作できる」「チャットサポートが充実している」「メール・チャット・LINEが同じ画面で管理できるので返信漏れがない」
😢「お試しが20日しかないのは短い」「ストレージ容量がすぐ一杯になる」「もっと細かく分析できる機能が欲しい」
▶もっとコメントを読む:https://www.itreview.jp/products/re-lation/reviews#scroll
■製品サイト
■製品の動画
メールディーラー
メールディーラーは、メールの問い合わせ対応が得意なヘルプデスクツールです。
■こんな企業におすすめ
- 問い合わせチャネルはメールが大部分というヘルプデスク
- 導入・運用をずっと無料でサポートしてほしい企業
- ログインの手間やパスワード忘れのリスクを減らせるシングルサインオンが必要な企業
■特徴
- 対応状況がリアルタイムで把握できる
- 「対応中」「保留中」といったステータスの自動振分けが可能
- 専任のスタッフが導入・運用をサポート
■機能
- 「未対応」「対応中」「対応完了」とステータス別に自動整理
- 返信中のメールはロック機能によって二重送信を防ぐ
- API連携が可能
■導入事例
株式会社日本アクセス、株式会社リンクなど7000社以上への採用実績
▶参考情報:https://www.maildealer.jp/case/
■導入した企業のコメント・評価
😀「サポート体制がしっかりしている」「チームの対応状況がリアルタイムで分かる」「30分ほどで使い方をある程度覚えられる」
😢「もっとカスタマイズできればよいのに」「レポート機能がもっと充実してほしい」「お客さまのメールが迷惑メールでないことをツール側で学習してほしい」
▶もっとコメントを読む https://www.itreview.jp/products/maildealer/reviews
■製品サイト
■製品の動画
メールワイズ
メールワイズはチームでのメール対応を強化するのに役立つヘルプデスクツールです。
■こんな企業におすすめ
- 低予算でSaaS型ヘルプデスクツールを導入したい企業
- メールに特化したツールだけが必要な企業
- kintoneを利用している企業
■特徴
- 1ユーザー月額500円で、2ユーザーからスタート可能
- 無料メーラーよりメール業務を簡略化する機能が充実
- kintoneと簡単連携
■機能
- 各メールの「担当者」「確認者」「処理状況」をステータス管理
- メールワイズモバイルアプリでスマートフォンでも利用可能
- プラグインを使ってkintoneと簡単に連携
■導入事例
株式会社星野リゾート、ブックオフオンライン株式会社など12000社以上への採用実績
▶参考情報:https://mailwise.cybozu.co.jp/case/
■導入した企業のコメント・評価
😀「導入・運用コストが安い」「メール共有以外に社内コミュニケーション用としても使える」「設定が簡単で助かる」
😢「過去のメール検索するのが難しい」「UIが古め」「コメント機能をもっとカスタマイズできれば助かる」
▶もっとコメントを読む https://www.itreview.jp/products/mailwise/reviews#scroll
■製品サイト
https://mailwise.cybozu.co.jp/
■製品の動画
yaritori
yaritoriは使いやすさを重視し、シンプルなメールサービスに特化しているツールです。
■こんな企業におすすめ
- シンプルなメール管理機能だけで十分なヘルプデスク
- slack連携が必要な部署
- 直感的に操作できるツールを使いたい
■特徴
- 複数人でのメール対応ができるように可視化
- 最短1分で終了するトライアル設定
- 休日でも行われるサポート
■機能
- メールごとのステータス表示、返信担当者の設定が可能
- 問い合わせごとに担当者間でチャットをしながら情報共有ができる
- メールテンプレートに顧客名の自動挿入ができる
■導入事例
西川株式会社や情報経営イノベーション専門職大学など140社以上への採用実績
▶参考情報:https://yaritori.jp/case/
■導入した企業のコメント・評価
😀「メールの問い合わせを社内の全員で共有できる」「不備を削減できた」「サポート体制がしっかりしている」
▶もっとコメントを読む:https://boxil.jp/service/6838/
■製品サイト
■製品の動画
最後に
Zendeskに代表される多機能ヘルプデスクツールですが、評判の良いツールはいくつもあります。今回はThinkOwlをはじめとする7つの製品をピックアップし、特徴やおすすめの企業を紹介しました。
もしレポート機能やナレッジ機能のカスタマイズ性の高さを求めているのであれば、ThinkOwlをご検討ください。GDPRを遵守しているツールが必要なヘルプデスクにもThinkOwlはおすすめです。
「ThinkOwlってあまり聞いたことないけど大丈夫かな」「海外製品だけどきちんと日本使用になっているのかな」と不安になるかもしれません。弊社は最新の海外ツールを日本へ16年間ローカライズしてきました。
弊社の営業担当やエンジニアが丁寧にサポートさせていただきます。初めての自動化やAIの利用、ナレッジやレポート管理もしっかりサポートしていきます。ガイドコンテンツも充実しているので安心して利用していただけます。
ThinkOwlを使ってヘルプデスク業務をより効率化させていきましょう。最新ヘルプデスクツールを使うことで業務のミスを減らすだけでなく、従業員満足度、顧客満足度を向上させていけます。
詳細をお知りになりたい、使用感を試してみたいという方は、是非30日間の無料トライアルをお気軽にご利用ください。